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20世紀の新古典主義

20世紀の「新古典主義音楽」運動は、フランスやイタリア、ロシアなどの、非ゲルマン民族によって興され、ドイツ・ロマン派音楽と、その残滓であるフランス印象主義音楽とドイツ表現主義音楽を一括して否定するところから始まった。新古典主義音楽がこれほどの勢いを持ったのは、第一次世界大戦への嫌悪感や、ドイツ音楽の低落とそれ以外の音楽の目覚しい成長、そして主にフランス留学組によるアメリカ人作曲家がこの音楽運動の主な担い手となったことによっている。さらに、19世紀の擬古的な作曲家と違っていたのは、この運動の担い手が、議論好きの論客であり、自らの音楽美学を理論武装していたことである。

20世紀における「新古典主義音楽」を準備した作曲家は、3人いる。一人はフェルッチョ・ブゾーニ、もう一人は最晩年のドビュッシー、そしてもう一人はマックス・レーガーである。

ブゾーニは、同時代の動向からロマン派音楽の終焉を予見し、そのうえで「モーツァルトへの回帰」「バッハへの回帰」を呼びかけている。ブゾーニは、歴史主義的立場に立ってロマンティックに過去を回顧したのではなく、19世紀末のロマン派音楽は動脈硬化を起こしかけてもはや袋小路に入っており、それを脱するには若返りが必要だとの認識に立っていた。したがって、古典派音楽以前に倣って、感情から超然とした、どちらかといえば形式主義的な音楽づくりにとりくむこと、苦悩や絶望の表現ではなく、愉悦感の表現を取り戻すことが重要であるとされ、ブゾーニ自身その主張に従って、ディヴェルティメントや、セレナード的な性格の器楽曲を量産した。また、番号オペラへの復帰や、オペラ・ブッファの作曲も、その主張と関係があった。ブゾーニは、亡くなる前にも新古典主義音楽の理念を自ら擁護している。
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ドビュッシーは、意識的な、あるいは理論的な新古典主義者ではなかった。しかし、しばしばラモーやクープランを称揚し、またモーツァルトへの愛情を語るなど、音楽家として古典的なものへの憧れを持っており、それが表現の節度を目指すという姿勢につながっていた。またピアノ曲では、早くからバロック舞曲やトッカータ的な書法を採用している。とりわけ注目すべきは、最晩年の3つのソナタ(チェロソナタ、フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ、ヴァイオリンソナタ)である。以前のような詩的な題名に頼らずに、抽象的に作品を構成しようとしている姿勢は、戦後の新たな動向を十分に予告するものとなっている。

マックス・レーガーは、基本的にはロマン主義者であり、ドビュッシーと同じく自らの作風を理論武装していたわけではない。重厚で入り組んだテクスチュアは、後期ロマン派音楽の典型とさえ言いうる。しかしながら、同時代の情感過多を排除した、超然とした表現や、機械的・形式主義的な楽曲構成は、ブゾーニの主張を別の側面から実現するものでもあった。レーガーはその意味において、ブラームスからヒンデミットに橋渡しする作曲家であったと言える。

ちなみにヒンデミットは、レーガーのみならずドビュッシーからも影響を受けていた。

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2009年06月04日 07:40に投稿されたエントリーのページです。

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